米麹って自宅で手作りできるの?
手作りすると良い効果があるの?
このような人に読んでいただきたい内容です。
発酵食品の魅力を伝えるブロガーです。
米麹は、日本の伝統的な発酵食品の一つで、味噌、醤油、日本酒、甘酒など多くの日本食の基礎となる重要な材料です。市販の米麹も手軽に入手できますが、自宅で手作りすることで、よりフレッシュで風味豊かな米麹を楽しむことができます。今回は、自宅で米麹を作るための成功秘訣と基本ステップを詳しく解説します。
米麹とは?
米麹は、蒸した米に麹菌(Aspergillus oryzae)を繁殖させたものです。麹菌が米のデンプンを糖化させ、発酵を促進します。このプロセスによって、甘みや旨みが増し、さまざまな発酵食品の風味の基となります。
必要な材料と道具
[材料]
- 米:2合
- 種菌:2g
必要な道具
- 蓋つきの鍋
- 蒸し布(2枚)
- 蒸し器
- 温度計
- しゃもじ
- 茶こし
- 保温器(ヨーグルトメーカーor電気毛布orコタツorカイロetc.)
工程(完成までの流れ)
各工程のタイムスケジュール
- 米を洗う :5分
- 水に浸す :6時間(夏場)
- 水を切る :2時間
- 蒸す :40分
- 冷ます :20分
- 麹菌を付ける:5分
- 保温 :48時間
- 切り返し(1回目から3回目)
- 管理終了(4回目)
- 乾燥
- 完成
各工程を詳しく説明していきます。
米を洗う(洗い)
- 2合の米を透明な水になるまで洗い流す(余分な汚れ、デンプンを取り除く)。
- 少し表面に傷をつけるようなイメージでしっかりと洗う。
水に浸す(浸水)
米に水を吸わせます。
- 夏場:5時間~6時間
- 冬場:15時間~20時間程度
- 冷蔵庫:20時間程度
水切り
ざるに移して2時間ほど角度を変えながらしっかり水を切ります。
蒸す(蒸し)
- 大きめの鍋に水を2、3センチ張り、蒸し器を広げる
- 蒸し布に水切りした米をのせ蒸し器の上に伸ばす
- 蒸し布で包んで鍋の蓋をする
- 40分弱火で蒸す
*ひと粒潰してみて芯が無く表面が少し硬い状態でできあがりです。
冷ます(蒸し取り)
- 新な蒸し布と取り換えて薄く広げます(湿気ていると後が大変)。
- 40°cから30°cまで冷ます。
麹菌を付ける(種切り)
- 茶コシに麹菌を入れ少し高い位置から落とす
- 米全体にまんべんなく振りかけます
- 麹菌の量は規定より少し多めのほうが安心です
共(友)麹
市販の米麹50g(種菌2gの代わり)をまんべんなく混ぜ合わせることで米麹菌の代わりになります。
保温(包み込み)
30°c〜40°cになるように保温します。
ヨーグルトメーカー
- 内容器を殺菌し、底にスノコを敷きます(水を落とすため)
- 蒸し布に包んで内容器に入れます
- 内蓋は付けずに温度計を差し込む
- 外蓋の下にタオルを置き外蓋で温度調節をする
- 32°c 48hにセットしてスタート
コタツ、電気毛布、カイロetc
- 清潔なさらし布でひとまとめに包む
- 温度計を差し込んでお米を圧縮するように包む
- 保温器の設定温度は32~42℃の間で、品温を35~40℃に保てるよう随時チェックしながら、設定を行う
季節や部屋の温度、種麹の使用量によって、品温の変化やスピードが異なります。
切り返し(手入れ)
48時間の間に4回の切り返しを行います。
最初の24時間は発芽期になります。
1回目(目安時間12時間後)
30°cを超えていることを確認し30°c以下なら時間を延長します。
切り返し作業①
- 蒸し布ごと取り出し固まりをほぐしていきます
- 内容器についた水滴を拭き取る
- ほぐし終えたら蒸し布をたたんで戻す
2回目(目安時間24時間後)
発芽しているのが確認できます
切り返し作業②を行います。
3回目(目安時間32時間から36時間)
くっつきが強くなってきているのがわかりますので、切り返し作業③でしっかりほぐしていきます。
品温が45°cを超えてきたら要注意で、50°cを超えると麹菌が死んでしまいますので
- 保温器を消す
- 切り返し作業を行う
などの対策が必要です。
管理終了(出麹)
4回目(48時間後)
白いモフモフが出てきますので、保温器から取り出して固まりをほぐしていきます。
乾燥(枯らし)
2日~3日ほどで使い切るのであれば必要のない工程ですが、丸一日乾かしたら乾燥米麹の出来上がりです。しっかりと乾燥させることで常温での日持ち日数が伸びるので、扇風機をセットして指で凹凸をつけて表面積を広くして、風の通りを良くしてしっかりと乾かします。
失敗しないコツ4選
清潔さの確保
麹菌はデリケートな菌です。他の雑菌が混入すると発酵がうまく進まないことがあります。道具や手を清潔に保ち、作業環境を整えることが重要です。
温度と湿度の管理
発酵に適した温度と湿度を保つことが、良質な米麹を作るための鍵です。発酵器を使うと、安定した環境を提供できます。
混ぜるタイミング
発酵の最初の24時間は特に重要です。適切なタイミングで混ぜることで、麹菌が均一に繁殖し、質の高い米麹ができます。
観察と調整
発酵中の米麹の状態をこまめに観察し、必要に応じて温度や湿度を調整しましょう。経験を積むことで、より良い米麹が作れるようになります。
生麹の保存期間と保存方法
常温 冬 | 常温 夏 | 冷蔵庫 | 冷凍庫 | |
生麹 | 1週間 | 2日~3日 | 3週間ほど | 3カ月ほど |
*乾燥麹は乾燥の程度で変わりますが冷暗所で半年から1年日持ちします。
出来立ての麹で何作る
米麹甘酒
[材料]
- 生米麹(出来立て):200g
- 水:300cc
[作り方]
- ヨーグルトメーカー の容器を殺菌します
- 計量した材料を入れてかき混ぜます
- 60°c6hにセットして完成(途中1回かき混ぜます)
生麹は水分が多いため水分を減らして作ります。もちろん甘く美味しくできていれば米麹が上手くできている証です。
合わせて読んでいただきたい記事
米麹水
[材料]
生米麹(出来立て):100g
水:1ℓ
[作り方]
- ティパックに米麹100gを入れます
- 容器に水を注ぎティパックを入れる
- 8時間冷蔵庫で入れて出来上がり
麹の味がストレートに楽しめますし、もちろん美容と健康にも効果が期待できて、繰り返し3回ほど使えますのでお試し下さい。
合わせて読んでいただきたい記事です。
味噌
【材料】
- 米麹:1k
- 大豆:1k
- 塩:400g
- 大豆煮汁:150㏄
【作り方】
- 大豆を洗い⇒浸漬⇒茹でる⇒ミキサーでペーストにする
- 生麹と塩を混ぜる⇒大豆ペーストとゆで汁を混ぜる
- 味噌玉を作り容器に入れる⇒ラップをかけて重石を乗せて10ケ月熟成
約1年間かけて丹念に仕込んだ味噌を使用し、秋に楽しむ特別な味噌汁。手間と待ち時間はかかりますが、その価値は高いと思います、市販のものとは一線を画す独自の風味と深いコクが特徴で、一度試してみる価値があります。
まとめ
自宅で米麹を作るのは、少し手間がかかりますが、その分愛着も湧きます。手作りの米麹は、市販品にはない豊かな風味を楽しむことができ、料理の幅も広がります。今回紹介した基本ステップと成功秘訣を参考に、ぜひ挑戦してみてください。自分で作った米麹で、さらに美味しい発酵食品を楽しみましょう!
あなたの米麹作りが成功し、楽しい発酵ライフが始まることを願っています。
ではでは 感謝 感謝
参考文献
麹のレシピ:おのみさ