ぬか漬けの塩分が気になります。
ぬか漬けに適した塩ってあるの?
このような方に読んでいただきたい内容になります。
発酵食品の魅力を伝えるブロガーです。
ぬか漬けは、伝統的な発酵食品として人々に親しまれています。その風味豊かな味わいと、栄養価の高さが魅力です。しかし、ぬか漬けは塩分が多く含まれており、塩分摂取を控えたい場合は少しハードルが高いかもしれません。そこで今回は、塩分摂取を控えながらもぬか漬けを楽しむための3つの秘訣を紹介します。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、摂取量の減少を目指すものと位置づけられており、目標量(食塩相当量として)は、成人1人1日当たり男性7.5g未満、女性では6.5g未満と設定されています。
1.漬け方を工夫する
- 漬ける時間の調整
- 切り方の工夫をする
- しっかり洗う
塩分を控えるためにまず考えるべきは、漬け方の工夫です。ぬか漬けの塩分はぬか床の塩分濃度だけでなく、漬ける時間や切り方によっても変わります。
時間の調整をする
長時間漬けると塩分が野菜にしっかり浸透してしまいます。短時間であれば、野菜の風味を活かしながら適度な塩味を確保します。
切り方に工夫をする
野菜を短く切ることで、塩分の浸透が早まり、短時間で美味しく仕上がります。また、細かく切ることで表面積が増え、漬かりが可能になります。これにより、漬ける時間を短縮でき、塩分摂取も抑えることができます。
漬かりにくいぬか床の条件は
- 気温が低い
- ぬか床の水分が少ない
- ぬか床の塩分が少ない
*最適な温度は20°c〜25°cなので一時的に冷蔵庫で保管するのも一つの方法です。
*ぬか床の塩分量を減らし過ぎると腐敗菌が増える危険があるので注意が必要です。
漬かりにくい野菜の条件は
- 表面積が大きい
- 水分量が多い
- 皮を剥かない
*ぬか床に入れる前の野菜の皮を剥いたり、切り込みを入れたり
一手間加えないことで漬かりにくくなります。
しっかり洗う
しっかりとぬかを洗い流すことで塩分は減らすことができます。
もっと減らしたい方は
もっと減らしたい方は
- 水にしばらく浸しておく
- 絞れる野菜であれば絞る
*水に浸し過ぎると水っぽくなっりますので5分~10分ほどで取り出してください。
水ぽくなるのが気になる方には塩抜きがお勧めです。
塩抜きのやり方
- 水200㏄に塩3gを入れる
- 漬かりすぎたぬか漬けを食べやすい大きさに切ります
- 塩水に入れて10分ほどで出来上がり
「呼び塩」と言って濃いぬか漬けと薄い塩水が同じ濃度になろうとしてぬか漬けの塩分を程よく減らしてくれます。
味見をしてまだ濃いようであれば時間を延長してください。
合わせて読んでいただきたい記事
|ぬか床の酸味トラブルを解決|4つの効果的な対策と予防法をご紹介
2.天然塩を使う
天然塩、自然塩にはミネラル分が多く含まれていて、その分だけナトリウムが減るので、天然塩を選ぶだけで、わずかではあるものの減塩の効果が得られますし、塩味に深みが出て、量が少なくても満足感のある味わいを楽しめます。
塩が貴重だっと頃のお話
サラリーマンの『サラリー(salary)』は、古代ローマ時代に兵士に与えられた「塩」を意味するラテン語『サラリウム(salarium)』に由来する。
当時は塩が貴重だったので給料として支払われていたそうです。
塩とは
塩資源は主3つあります
- 岩塩
- 塩分濃度の濃い湖の水
- 海水
世界では6割が岩塩を使用されていますが、日本には岩塩、塩分濃度の濃い湖もないため海水だけが塩の原料であり塩作りに不適地であるために大変な労力で塩作りが行われていました。
日本に不適な海水からの塩作り
日本に不適な海水からの塩作り
- 3%の濃度の海水を煮詰める効率の悪さ
- 雨が多く湿度が高い気象条件
- 海水を引き込んで天日干しする土地が狭い
など塩作りには大変苦労し沢山の知恵がしぼられてきました。1971年に『塩業近代化措置法』の成立で塩田からの製塩からイオン交換膜製塩法に全面的に切り替わり低コストの精製塩ができました。
精製塩と再生加工塩、天然塩の違い
製造工程 | 成分 | 値段 | |||
精製塩 | イオン膜 立釜 | 塩化ナトリウム99.5% | 安い | ||
再生加工塩 | 天然塩を輸入して 精製、溶解、立釜 | 塩化ナトリウム約90% マグネシュウム、カリウム | 中 | ||
天然塩 | 天日、平釜 | 塩化ナトリウム約80% マグネシュウム、カリウム | 高い |
*天然塩や自然塩と表示することは禁止されているので原料表示や製造工程を参考にして選んでください。
3.カリウムが多く含まれている野菜を漬ける
カリウムの多い野菜を選ぶことも重要なポイントです。カリウムは体内に余分な塩分を排出する働きがあり、塩分摂取量を調整するのに役立ちます。
自然塩にもカリウムが含まれていますが野菜にもカリウムが含まれています。
カリウムが沢山含まれていてぬか漬けに適した野菜
- 野菜:ほうれん草、小松菜、大根、カボチャ、アボガド
- 芋類:じゃがいも、サツマイモ
- 豆類:枝豆、そら豆
ぬか床の塩分濃度を下げてはいけない理由
そもそも塩分が気になるのなら”ぬか床の塩分濃度を下げれば”って思いませんか?
でもこれはダメです。ぬか床の塩分濃度は6%~7%で酸度はph4.6ぐらいがといわれています。
塩分調整の仕方はそれぞれですが
塩分調整のタイミング
- 決まった曜日に入れる
- 足しぬかの際に入れる
- 浸かり具合をみて入れる
- ぬか床を舐めて確認する
など人それぞれ塩分を足すタイミングが違います。
ちなみに私は”毎日舐めて確認する”なのですが、難しそうですが毎日のことなので流石に慣れてきます。
ではどうして塩分濃度を下げてはいけないのかを考える前に、そもそも塩分を入れる理由は
そもそも塩分を入れる理由は
- 浸透圧の働き
- 味付け
- 雑菌の繁殖を抑える
の大きく3つが挙げられます。
適切な塩分濃度と酸性度によって腐敗菌の増殖を防いでいますので、塩分濃度を下げ過ぎると腐敗菌が増殖し易くなるのです。
むやみに塩分濃度を下げ過ぎると“発酵”から”腐敗”に菌が変化してしまいますので、くれぐれも塩分濃度を下げることは避けてくださいね。
まとめ
塩分摂取を控えながらもぬか漬けを楽しむためには、漬け方の工夫、天然塩の使用、カリウムの多い野菜の選択という3つの秘訣があります。これらのポイントを実践することで、健康的で美味しいぬか漬けを手軽に作ることができます。ぜひ、日常の食卓に取り入れてください。発酵食品の魅力を存分に味わいながら、健康的な食生活を送りましょう。
ではでは 感謝を込めて
参考文献