自宅で豆腐を作ってみたくて、豆乳メーカーで豆乳を作ってみたけれど、
にがりを入れても全然固まらない…
ボソボソとしかならない
そんな経験はありませんか?
実は、豆乳メーカーで作った豆乳は 構造的に“固まりにくい理由”がある のです。
この記事では、その原因をわかりやすく解説し、
家庭で美味しい豆腐を作るためのコツも紹介します。
■ なぜ豆乳メーカーの豆乳は固まらないのか?
豆腐作りのキーワードは たんぱく質の濃度 × 加熱 × にがりの働き の3つ。
このどれかが欠けると、にがりを入れても固まりません。
では、どんな仕組みで豆乳メーカーの豆乳は“うまく固まらない”のでしょうか?
① 濃度(固形分)が足りないから
豆腐を固めるには、豆乳の 固形分が10%以上 必要と言われています。
ところが、一般的な豆乳メーカーで作れる豆乳は 6〜8%ほど。
理由は以下のとおり:
- 大豆量が少ない設計(40〜60gなど)
- 水の量が多め
- 焦げつき防止のため濃く作れない
つまり……
→ そもそも“豆腐に向かない薄い豆乳”になりやすい!
どれだけ良いにがりを使っても、濃度が足りなければ固まらないのです。
② 加熱温度が足りず、たんぱく質が変性しないから
豆腐を作るときは、
- 95℃前後まで加熱
- 5〜10分の加熱保持
が必要です。
しかし、豆乳メーカーは機種によっては…
- 加熱温度がやや低め
- “沸騰させない”仕様
- 加熱保持時間が短い
そのため、
たんぱく質が凝固に適した形に変性しきらず、にがりが効きにくい
という状態になりやすいのです。
③ 高速ブレードでたんぱく質が細かく壊れすぎる
豆乳メーカーの多くには高速ミキサー機能がありますが、
これが豆腐作りには曲者。
- たんぱく質が細かく分解されすぎる
- 凝固時に網目構造(水が抜ける構造)が作れない
- 結果、ぼそぼそとしたり、ゼリーのような食感に…
→ “豆腐らしい固さ”にならないことが多い
④ 濾さない機種は、おからが凝固を邪魔する
「濾さずに飲める豆乳」「完全豆乳」「濾過不要」機種もありますが、
豆腐を作るには不向きです。
- おからがにがりの濃度を乱す
- たんぱく質同士の結合を邪魔する
- 均一に固まりにくい
→ 固まらない or ぼそぼそになる原因に
🔗豆腐がうまく固まらない人へ|豆乳の濃度で成功する手作り豆腐のコツ
■ 豆乳メーカーの豆乳でも固める方法はある?
「え、じゃあ絶対固まらないの?」
というと、実は工夫次第で固めることもできます。
① 大豆量を増やして濃度アップ
可能な範囲で 大豆を1.2〜1.5倍に増やす と、
濃度が上がって固まりやすくなります。
※ただし、焦げつき・モーター負荷に注意。
※メーカーの取扱説明書を必ず確認してください。
② 作った豆乳を再加熱する
豆乳メーカーで作った後、
- 鍋に移す
- 95℃前後まで加熱
- 5〜10分キープ
- 人肌(70℃前後)まで冷ましてにがりを加える
これだけで固まりやすさがかなり改善します。
③ にがりの量を微調整する
目安は豆乳100mlに 2〜3ml ですが、
薄い豆乳の場合は ほんの少し多め に入れるのも有効。
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④ できれば“濾した豆乳”を使う
おからが混ざるタイプの豆乳メーカーなら、
布巾やざるで一度濾すことで固まりやすくなります。
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■ 豆乳メーカーで作った豆乳は「飲む用」向き
ここまで理由を並べてきましたが、
結論として、
豆乳メーカーの豆乳は“飲む用”として最適に設計されていると言えます。
- さらっと飲みやすい濃度
- 焦げつかない安全温度
- 滑らかな口当たり
- おからもまるごと摂れる栄養価の高さ
豆腐作り目的であれば、
濃度の出るメーカーを選ぶ or 再加熱して使う が大切です。
■ まとめ
豆乳メーカーの豆乳が固まりにくい主な理由は:
- 濃度不足(固形分が低い)
- 加熱温度・保持不足
- 高速ブレードでたんぱく質が壊れすぎる
- おからが凝固を邪魔する
この特性を理解して工夫すれば、
家庭でも美味しい豆腐作りにチャレンジできます。
豆乳メーカーを活用して、
“飲む豆乳” と “固める豆乳” を使い分けて楽しんでみてくださいね。


