にがりって何?
どんな種類を選べばいいいの?
豆腐を手作りするときに欠かせない存在が「にがり」です。海水から塩を取り出したあとに残る液体で、大豆タンパク質を固める働きを持っています。にがりを正しく使えば、家庭でもなめらかで風味豊かな豆腐が作れますが、分量や種類を間違えると固まらなかったり、苦味が強く出たりして失敗の原因になります。
そこで本記事では、にがりの正体や豆腐づくりにおける役割、種類ごとの特徴、さらに失敗しないための選び方や使い方を詳しく紹介します。基本を押さえれば、誰でも自宅で美味しい手作り豆腐を楽しめるようになります。
にがりとは?
「にがり」とは、海水から塩を取り出したあとに残る液体のことです。主成分は**塩化マグネシウム(MgCl₂)**で、ほかにもカルシウムやカリウムなどのミネラルが含まれています。
豆腐づくりでは、この塩化マグネシウムが豆乳中の大豆タンパク質と結合して凝固を引き起こし、液体状の豆乳を固めて豆腐に変えるのです。
ちなみに「にがり」という名前は、味にほろ苦さを感じることから来ています。
豆腐づくりとにがりの関係
手作り豆腐は、大豆から作った豆乳ににがりを加えることで完成します。にがりの量や加える方法を間違えると、うまく固まらなかったり、スが入ってぼそぼそした食感になったりしてしまいます。
- にがりが少ない場合:固まらず、ゆるい豆乳プリンのようになる
- にがりが多すぎる場合:苦味が強く出る、食感が硬くなる
- 均一に混ざらない場合:部分的に固まる or 水っぽい部分が残る
このように、にがりの扱い方で豆腐の仕上がりは大きく変わります。
にがりの種類と選び方
にがりにはさまざまなタイプがあり、すべてが豆腐づくりに適しているわけではありません。特に注意したいのは、スーパーや通販で「健康食品」として販売されているにがりです。見た目や名前は似ていますが、豆腐を固める目的では作られていないため、失敗の原因になりかねません。ここでは、豆腐づくりに適したにがりと、不向きなにがりの違いを整理しておきましょう。
豆腐づくりに適したにがり
液体にがり


最も扱いやすく、初心者にもおすすめ。豆乳に混ざりやすく、安定した仕上がりになります。スーパーの豆腐コーナーなどで見つけやすいタイプです。商品によって含まれているマグネシュウム濃度が違うのでチェックが必要です。
粉末にがり(食品用)
保存性に優れており、慣れてくると使いやすいタイプ。ただし水にしっかり溶かしてから使う必要があります。
天然由来のにがり
海水から塩を取り出した後に残る液体を利用したもので、マグネシウムのほかカルシウムやカリウムなどのミネラルも含みます。大豆の風味を引き立て、味わいにまろやかさが出ます。
豆腐づくりに不向きなにがり
機能性食品・サプリメント用のにがり
マグネシウム補給」「ダイエットに」として売られている商品がありますが、これらは飲料やサプリ用に調整されたもので、豆腐づくりには不向きです。濃度や成分バランスが異なるため、固まらなかったり、苦味が強すぎたりする原因になります。
浴用・農業用のにがり
入浴剤や農業資材として販売されているにがりもありますが、食品用ではないため絶対に使わないようにしましょう。
選ぶときのポイント
- 食品用であることを必ず確認する
パッケージに「食品添加物」「豆腐用」と明記されているものを選びましょう。 - 成分表示をチェックする
主成分が「塩化マグネシウム」となっているかどうかを確認します。 - 売り場に注意する
豆腐コーナーや製菓材料売り場にある「食品用のにがり」を選び、健康食品コーナーのにがりは避けましょう。
🔗豆腐がうまく固まらない人へ|豆乳の濃度で成功する手作り豆腐のコツ
にがりの正しい使い方
1. 豆乳を温める
豆乳は人肌より少し高めの70〜80℃程度に温めるのが理想です。熱すぎると分離してしまい、低すぎると固まりにくくなります。
2. にがりを溶かす
液体にがりはそのままでOKですが、粉末にがりは必ず水でしっかり溶かしてから使いましょう。
3. にがりを加える量
目安は豆乳100mlに対してにがり2ml(5%濃度の液体にがりの場合)。ただし豆乳の濃さ(大豆固形分10%以上推奨)によっても変わるため、調整が必要です。
4. 混ぜ方のコツ
にがりを加えたらゆっくり1〜2回混ぜるだけで十分です。かき回しすぎるとタンパク質が壊れてうまく固まりません。
5. 蒸らして固める
混ぜ終わったらそのまま静かに置き、余熱でじんわり固めます。レンジ加熱の場合は突沸に注意し、途中で軽く混ぜると失敗が減ります。
手作り豆腐を成功させるために
にがりは豆腐の味や食感を大きく左右する大切な素材です。最初は分量や温度管理に戸惑うかもしれませんが、数回作るうちに自分好みの固さや風味が見つかります。
- 初心者は液体にがりからスタート
- 豆乳は大豆固形分10%以上を使用
- 混ぜすぎず、静かに固める
この3つを意識すれば、失敗はぐっと減るでしょう。
手作り豆腐を成功させるには、にがりだけでなく**豆乳の濃さ(大豆固形分10%以上)**が大切です。市販の調整豆乳では固まりにくいこともあるため、豆腐づくりには「無調整豆乳」を選びましょう。
私は「豆乳クラブ」の定期便を利用しています。豆乳好きの私にとって、ほんのり甘みがあって美味しく、毎朝飲むのが楽しみになっています。
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まとめ
「にがりとは、豆腐を固めるために欠かせない海水由来のミネラル液」です。種類や特徴を知り、正しい使い方を身につけることで、家庭でもなめらかで美味しい手作り豆腐が楽しめます。
市販の豆腐とはひと味違う、できたての温かい豆腐の美味しさは格別です。ぜひ、自分に合ったにがりを見つけて、手作り豆腐に挑戦してみてください。
ではでは 感謝感謝